ふと昔のことを思い出した。まだサラリーマン時代だったころ、ある女性の部下がいた。
紙媒体でのデザイナー歴10年のベテランが部下になった
その女性は僕よりずっと年上だった。ウェブデザイナーとして入社したんだけど、もともとは10年くらいDTP(パンフレットなどのデザイン)専門でデザイナーしてきた人。
※キャラとしてはさとう珠緒を意識してるような天然ぶりっ子キャラ
失敗した時に肩をすくめ、テヘって感じのしぐさをしてペロッと下を出す生身に人間を初めて見た
※ちなみに、見た目は吉本新喜劇でお馴染み、すち子だ
印刷物業界も厳しくなっていたからか、わりと歳はいってた(たしか40代半ば)けど転職してきた。当時、うちの役員のおっさんが面接し、『この子はいい!うちは若いスタッフばかりだし、ベテランに入ってもらう!』となったそうだ。
なんでもすぐ聞いてくる人
デザインという共通点はあっても、やはりウェブと紙媒体では色々と勝手が違う。だからその女性も戸惑う場面が多く、何かあるとすぐ聞いてきた。
僕も最初のうちは丁寧に教えてたけど、あまりに初歩的なことを聞いてくる。
『コーディングってなんですか?』『Dreamweaverってなんですか?』『gifアニメってなんですか?』
…ググレカス。この言葉を使うことは無かったけど、さすがに5分に1回くらい聞いてくるから
『まず、自分自身で調べてもらえる?ネットもあるんだし、検索すれば出てくるよ。それでもわからないなら聞いて。』
すると
『わかりました。で、検索ってどうやったらいいんですか??』
……。
自分で調べろって言った結果…
まず、この女性を雇用した役員のおっさんはどういう目をしてるんだと思った。2008年頃、まともに検索も出来ないやつを雇うなんてどういうことよ。よっぽどデザインがいいのか?
まあそうは言っても、知らないものは仕方ない。だから最低限の検索のコツなどを教えた。
それから僕に質問してくる回数はかなり減った。よかったよかった、そう思ってたら…。
同僚に聞きまくってる!
マジかよ。なんと、僕に聞いても教えてくれないから、同僚に
『googleってなんなんですか?』『HTMLってなんですか?』
と聞きまくってる。おかげで少人数の制作部は手が止まったり集中力が切れ、ミスが増えたりしてた。
そこで、
『あのね、そうじゃなくて、わからないことは自分で調べてって言ってるでしょ』
そう伝えると
『はい、わからなかったので調べてたんです、**さんに聞いたら知ってると思って♪』
なんと、彼女の中では
調べる=人に聞くこと
なんだそうだ。検索もまあ【インターネット空間に対して『これはなんですか?』と聞くこと】と言えなくもない。でもさ…。
DTPで鍛えたデザイン力やいかに?!
ここからは余談。
最初のうちはデザインをしてもらう前にまずはウェブ制作の流れを理解してもらうため、コーディングなどの作業も少しだけ体験してもらった。もちろんあり得ないほど飲み込みが悪く、常にテヘペロってた。
『まあ、デザイン力がスゴイらしいし、いっか。』
ということで、早速ウェブサイトのトップページに掲載するメイン画像のデザインを頼んだ。
愕然とするほどダサかった…。マジでダサかった。冗談抜きで
この雰囲気の色使いと立体感だった…。結局デザイン以外の作業などもしてもらいながら1年くらい勤めてたけど、トラブルの絶えない人だった。
僕はひたすら謝る役回り。おかげでクレーム対応の修行ができた。
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